それは迷信です。生前にお墓を建てることを寿陵あるいは生前墓といって、「寿陵」の寿が示すように「家に幸せをもたらし、長寿が約束される」 といわれ、大変おめでたいお墓なのです。
仏教の教えにおいても、「寿陵」を建てることは「逆修（ギャクシュウ）」すなわち「生前、自分のために 仏事を営み冥福を祈ること」を為すことでもあります。
人生の転換を願い、精算し再生するための「逆修」は善根を導き、それによって 功徳がもたらされ、未来の繁栄と幸福につながるといわれています。

＜寺院墓地＞
大抵はお寺の境内にあり、その寺院が管理している墓地のことをいいます。寺院墓地のお墓を得るということはそのお寺の檀家になる ことが前提となっている場合がほとんどなので、必ずそのお寺の住職にお寺の行事やお付き合いの仕方について確認しておいたほうが よいでしょう。利点としては手厚く供養して頂けるという点です。頼めば僧侶が読経してくれます。お寺の中にあるので管理面も 安心できます。

＜公営墓地＞
都道府県、市町村などの地方自治体が管理・運営している墓地です。申し込みや問い合わせは、各都道府県や市町村役場になります。
公営墓地は、墓地にとって最も重要な永続性が保障されていて、かつ、永代使用料や管理費が安く抑えられています。
また、自治体が管理していますから、宗旨・宗派による申し込みの制限など宗教的な制約は一切ありません。ただし、契約に関しては 現住所がその自治体にある、お墓の後継者がいる、遺骨があるなどいろいろ条件がつきます。
募集に関しても随時行っているわけでは ありませんし、募集があっても大抵希望者が多いために抽選制で、購入が困難なのが現状のようです。
また、大規模開発のところが多く、 立地の面で不便なところも少なくありません。申し込みにあたっては十分な検討が必要です。

＜民営墓地＞
財団法人や社団法人が運営していたり、民間が宗教法人から運営の委託を受けている霊園で、宗教宗派を問わずに申し込むことができます。
公営墓地に比べると永代使用料や管理費などは多少割高ですが、遺骨の有無などで申し込みに制限がかけられることはほとんど ありません。墓地によってはお墓のデザインや大きさなどを自由に選べる場合もありますが、石材店は指定されている場合が多いようです。

＜永代使用料＞
お墓を建てる時に「お墓を買う」と言いますが、正確には「永代使用権を買う」で、土地を所有する権利を買うわけではありません。
そのため、不動産取得税・固定資産税などはお墓にはかかりません。一般的に墓地の永代使用料は安い順に公営・民営・寺院と いわれています。とはいっても限られた予算で墓地がほしいという人がいた場合、公営がいいとは限りません。
というのは公営での墓地面積 は４㎡以上の大きな区画しかない場合があります。一方、民営の場合は１㎡前後から４㎡以上など、建てる人の予算に合わせた設定が 用意されている場合が多いようです。

＜墓石費用＞
墓石本体と周囲を囲む外柵、基礎、工事費が必要な建墓の費用とされます。墓石の値段は石の大きさと種類で数十万円から数百万円ですが、 単純に価格が品質を反映しているというものでもありません。
その理由のひとつとして、石の種類により採れる量に差があり、その量の多い少ない によって価格が決まってくることがあげられます。墓石に一番必要なことは耐久性です。良い石の定義は３点あり、「硬度が高い」、「水を吸いにくい」 「石そのもに傷やムラがなくキメ細かい」ことです。
現在、よく使われる墓石は磨くと光沢が出る花崗岩（一般的にみかげ石と呼ばれるもの）で、価格は石の色合いや組成物質の違いによってかなりの幅があります。

＜管理費＞
墓地にある施設の維持・管理（参道整備・水道設備・駐車場・緑地・墓地清掃）などに要する費用で、毎年支払うことになっています。
当社所有の霊園を例にすると、神栖市の４㎡前後の墓地で年間5000円～になります。都市型霊園の方が郊外の霊園より多少高額の場合が 多いようです。
寺院墓地ではお布施や冥加金めいもくで支払うことがありますので、購入の際、十分確認したほうがいいでしょう。 管理費は滞納すると使用権を取り消される要因になりますので、忘れないで払うようにしましょう。

＜花崗岩（かこうがん）＞
お墓に使用される石として最もポピュラーに使用されています。一般的には「御影石（みかげいし）」と呼ばれ、以前に兵庫県御影地区から全国に 運ばれ、その石と性質が似ているもの(花崗岩)の総称として名前が付きました。硬質がとても高く、磨くほどに艶（つや）が出て、耐久性もあります。
国内産で代表的なものには庵治石・大島石・真壁石・稲田石などがあります。

＜安山岩（あんざんがん）＞
花こう岩に次いで使われることが多い石材です。吸水性がやや高いものの硬度が高く、耐久性もあります。年数が経つにつれ味わいの出る石もあり 根強い人気を誇っています。
国内産で代表的な物には小松石・山崎石などがあります。

＜班レイ岩（はんれいがん）＞ ＜閃緑岩（せんりょくがん）＞
墓地へ行くと見かける「黒い石」はほとんどがこの部類に入ります。一般的には「黒みかげ」と呼ばれています。硬質・吸水率ともに石材の中では最上級です。 そのため加工には熟練の技術が必要で、高級な石材として扱われているものがほとんどです。国内産の黒みかげは産地が限られており、代表的な物には浮金石な どがあります。